TSのつぶやき

身の回りの英語の疑問や考察を綴っています

英語閑話 – 5 (LとR)

前回に引き続き英語の発音の話題です。今回は、日本人が発音するのに苦労し区別することが難しいと言われている”L”と”R”を取り上げます。

もう50年以上前になりますが、中学で英語を習い始めたころ、教師から「日本人は”Rice”(ライス)『米』を食べていると説明しても、発音が悪いから”Lice”『シラミ』にしか聞こえず、外人に変な顔をされた。」と言われ、/l/と/r/の発音を必死で練習したことを思い出しました。

“Rice”「米」

“Lice”「シラミ」 - ”Louse”(ラウス)の複数形

 

日本語には「ラ」「リ」「ル」「レ」「ロ」とラ行は一種類しかありませんので、”Ra” ”Ri” ”Ru” ”Re” ”Ro”と”La” ”Li” ”Lu” ”Le” ”Lo”の音を分けて発声するためには、かなり意識しないとできないように思います。しかし、簡単に/l/と/r/の発音をマスターする方法があります。

 

まず、”L”の発音ですが、日本語のラ行と同じ発音だと考えてください。本来、/l/は舌先を「前歯の付け根」に当てて、舌が踊るように”La” ”Li” ”Lu” ”Le” ”Lo”と発音するのですが、それは忘れて何の意識もせず、日本語の「ラ」「リ」「ル」「レ」「ロ」を発音すれば十分です。これで/l/の発音が完了しました。

 

では、次に”R”の発音を考えます。本来、/r/は口を丸くすぼめて(いわゆるタコ口)、舌を口の中のどこにも付けず”Ra” ”Ri” ”Ru” ”Re” ”Ro”と発音します。これをいちいち意識して発音することは至難の業です。それでも、単語一つをゆっくりと喋るときを良いでしょうが、とても会話に応用できるものではありません。(第一のこんなことを意識して会話していては、舌が痺れるか縺れるかして苦痛なだけです)

/r/は最初の「タコ口」さえ作れれば、後は「ラ」「リ」「ル」「レ」「ロ」と発音しても舌が口の中のどこかに触れることはなく、自然に”Ra” ”Ri” ”Ru” ”Re” ”Ro”の音が出せます。要は、この最初の「タコ口」を簡単に円滑に作る方法が何かということです。それは、”R”の前に「ウ」を付けて発声するということです。

 

あまりに簡単な解決策のようですが、これはとても効果があります。実際に例を挙げますので練習してみましょう。

“Light”(光)と”Right”(右)

→ 普通に「ライト」”Light”、最初に「ウ」を入れて「ウライト」”Right”

“Lead”(導く)と”Read”(読む)

→ 普通に「リード」”Lead”、最初に「ウ」を入れて「ウリード」”Read”

少し難しくなりますが、”Bleed”「出血する」と“Breed”「繁殖する」

→ 普通に「ブリード」”Bleed”、/b/の後に「ウ」を入れて「ブウリード」”Breed”

 

どうでしょうか、”L”と”R”を区別して発音できましたか。要は/r/の前には必ず「ウ」を入れることを忘れないということです。最初のうちは”R”を見れば「ウ」を付けて意識して発音することになりますが、そのうち習慣化してしまえば、もう”L”と”R”の発音は完璧に習得したといっても過言ではありません。そうなれば、耳から入ってくるネイティブの”L”と”R”も聞き分けられるようになります。