TSのつぶやき

身の回りの英語の疑問や考察を綴っています

英語閑話 – 5 (アウト)

日常生活で「その発言は一発アウトだな。」とか「この様子では、結果はアウトでしょ」など、英語の”Out”(アウト)と思われる表現を使うことがあります。これらの文脈で使われる「アウト」は、「ダメ」や「禁止」の意味ですが、英語の”Out”(アウト)には、そのような意味はありません。

アウト - 「ダメ」や「禁止」

 

 

では、なぜ「アウト」がダメ等の意味で使われるようになったのでしょうか。

 

“Out”(アウト)は、本来「外へ」という意味の言葉です。例えば、”Get out”(ゲット・アウト)や”Go out” (ゴー・アウト)は「外へ出ていく」ことですし、”Out of bounds”(アウト・オブ・バウンズ)と言えば、ボールがコートや競技区域の「外へ」出てしまうことを指します。

 

野球で使われる”Out”は、打席にいる打者や塁上の走者が、「試合から除外(外へ出)される」という意味の”Out of play”(アウト・オブ・プレイ)ときの表現です。その他にも、打者が三つのストライクを宣告され試合から除外されることを”Strike-out”(ストライクアウト)と言ったり、 バスケットボールで5つの反則(ファウル)を犯した選手が、試合から除外されることを”Fouled out”(ファウルド・アウト、”The player is fouled out.”の略)と言ったりします。

 

したがって、これらの「除外」の用法から転じて、「アウト」が「ダメ」や「禁止」などを意味する言葉として定着したものと考えられます。しかし、“Out”(アウト)が「外へ」の意味を持つのであれば、「退場」や「退出」を含むダメ出しに「アウト」を使うのは、正しい用法と言えないこともありませんね。