英語閑話 – 3 (単複同形)
英語は単数と複数を明確に区別する言語で、英語の名詞(ここでは可算名詞の意)には単数形と複数形がある、と英語を習い始めたときに教えられ、面食らった記憶はありませんか。
一つの名詞につき、この複数形と単数形を使い分けるという概念は日本語にはありません。加えて、その英語の複数形というものが、ただ単に”s”を付ければ良いというものばかりではなく、”es”であったり(Dish→Dishes、Watch→Watchesなど)、しかも語尾の”y”や”f”を、”i”や”v”に変えて”es”とするもの(Lady→Ladies、Wolf→Wolvesなど)や、全く違う綴り(発音)になるもの(Man→Men、Tooth→Teethなど)もあります。これらは英語に習熟して慣れていくにつれ自然と覚えていくものですが、英語を習得しようとする際に、最も苦労する(ように思う?)点の一つではないでしょうか。
なぜ、英語の名詞には単数形と複数形が存在するのかについては、正直なところ分かりません。英語の源流であるインド・ヨーロッパ語族は、単数と複数の概念を持っていますが、そもそも、なぜインド・ヨーロッパ語族がそのような概念を持つようになったかは不明です。
曰く、英語には、日本語にあるような、数を表す語の後ろに付けてどのような物の数量を表す語要素である助数詞(個、匹、本、枚など)がないため、単数・複数の区別が必要となった。あるいは、英語は日本語に比べて、現実をより忠実に言葉で表現する(複数概念を明示する)言語である。等諸説がありますが、あまり説得力があるように思われません。
英語の名詞が単数と複数を区別する理由を考察することはさて置き、英語の名詞の中にも日本語と同様、複数形と単数形が同じものがあります。これらを単複同形”Invariable”(インバリアブル)と言います。
主な例を挙げます。
ところで、外来語として英語に導入された日本語は、複数を表現するときにどのような形になるのでしょうか。日本語(元の言語)の特徴を尊重して単複同形でしょうか、それとも複数の時は”s”を付けるのでしょうか。
答えは「どちらもでも良い」ようです